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産婦人科

精密子宮がん検診 ~ヒトパピローマウイルスと細胞診のダブルチェック検診~

子宮頸がんは、治療から予防の時代になりました。検診と予防ワクチンにより、その根絶も夢ではなくなりつつあります。

子宮頸がんは、その95%以上がヒトパピローマウイルス感染によって引き起こされることがわかっています。従来の細胞診に加え、ヒトパピローマウイルスのなかでも、特にがんを引き起こしやすいタイプに感染しているかどうかを知ることにより、より正確に診断し、適切な受診間隔を知ることが出来ます。たとえば細胞診がクラスⅠ(正常)でヒトパピローマウイルスが陰性であれば、子宮がん検診は2~3年ごとで十分です。細胞診に異常がなくても、ウイルスが陽性であれば1年ごとの検査が必要となります。また細胞診に軽度の変化や異常が認められる場合も、ウイルス感染の有無が経過観察や今後の見通しの参考となります。
当科では子宮頸がんワクチンの接種も行っていますが、現在のワクチンは予防効果を狙っているもので、いったん感染したウイルスを排除する効果はありません。したがって、子宮頸がん予防のためにワクチンを希望される成人女性の方は、まず検診によって、現在の状態を把握することが望ましいと考えられます。
子宮がん検診は、心理的なハードルが高いため、一度も受けずに過ごされる方が珍しくありませんが、豊島病院では、そのような初めての患者さんにも気持ち良くお受け頂けるようプライバシーが保たれる、快適な診察室があり、ベテランの医師、看護師が親切に対応いたします。女医を希望される場合は、予約の際にその旨、お話しください。検査内容と金額は以下のとおりです。

 <初診>
   診察料(問診・内診)、細胞診検査(子宮頸管粘液)、HPV検査   合計 12,760円(税込)
 <再検診>
   診察料(問診・内診)、細胞診検査(子宮頸管粘液)、HPV検査   合計 10,560円(税込)

 ワクチン接種(3回接種)  1回 16,500円(税込)

概要

「診療を通じて、おひとりおひとりの女性の幸せのために奉仕する」
これが、私たちのモットーです。そのためには、最新の専門的知識と医療技術を提供するのみならず、患者さんのお気持ちに対しても最大限の配慮をしたいと考えています。

産科では、特に妊娠初期には流産や子宮外妊娠などの異常を早めに診断をすることが大切であるため、初診は予約なしで随時受けつけています。妊娠についてはご都合のつくかぎり、一日でも早い受診をお勧めいたします。

婦人科は、心理的にハードルが高いとお感じの方が多いことと思います。しかし「もしかして病気かもしれない…」と思いつつハッピーにはなれません。自己診断ツールでチェックポイントを参考になさりつつ、どのようなことでもご相談ください。

積極的に取り組んでいる分野

卵巣嚢腫、子宮筋腫、子宮内膜症に対するホルモン療法と内視鏡手術

良性の病気は低侵襲(からだに負担が少ない)治療法を目指します。
おひとりおひとりの状態に応じて、いちばん効果的かつ身体的、時間的、低財的負担が少ない治療方法をオーダーメードでご提案します。

骨盤臓器脱手術

尿漏れ、子宮下垂および膀胱瘤をひそかに我慢してすごしておられる方は少なくありません。当院ではメッシュを用いたTVM手術を行い、良好な成績をあげています。この治療によってQOL(生活の質)は格段に改善されます。恥ずかしいから、というご心配は一切無用です。どうぞいちどご相談におこしください。

ヒトパピローマウイルス感染

人間ドックや婦人科検診で、軽度の異常または精密検査が必要という結果がでることは少なくありません。子宮頸がんの前段階の可能性がある場合は、きちんとした病状の把握が必要です。検診結果に不安がある場合には迷わず受診してください。さまざまな疑問や不安にお答えするとともに、適切な検査・治療を行います。

遺伝・ハイリスク妊娠相談外来

妊娠はおめでたいことですが、一方でさまざまな不安と隣り合わせの場合もあります。高年妊娠で染色体異常が心配、身内に病気が、薬を飲みながらの妊娠など様々な不安に対してお答えし、母体血清マーカーテスト、羊水検査のご希望があれば行います。

不妊外来

不妊治療は過去10数年の間に飛躍的な進歩を遂げ、体外受精など生殖補助技術によって、妊娠し、出産することが珍しくなくなりました。しかし、これらの高度な医療技術には高額な医療費を要するという側面があり、お子さんは欲しいけれど、経済的な面で二の足を踏んでいるという方々が少なくありません。
豊島病院産婦人科では、公的性格をもつ地域医療を担う病院としてふさわしい不妊外来を目指します。可能なかぎり、自然に近く、余分なコストはかけず、良い結果を出すことをモットーにお子さんを望まれている方々のご要望におこたえしたいと考えています。
予算やお仕事の制約など、どのようなことでもまず、ご相談ください。

女性健康外来

女性は一生のうち、様々なホルモンの状態変化を体験します。月経に伴う諸症状や更年期のからだの不調、閉経後のからだの変化・健康への不安など、女性特有の症状についての検査・診断・治療、健康な生活へのアドバイスを行います。
特に更年期症状についてのお悩みは相談しにくいものだと思います。この時期を上手く乗り切っていくために、おひとりおひとりに合わせた最適な治療をご提案します。ぜひご相談ください。

産婦人科の基礎知識

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主な対象疾患

子宮筋腫

原因

(クリックで拡大画像が見れます)

子宮筋腫は子宮の壁である筋肉層にできる良性の腫瘤(こぶ)です。図でごらんいただくと、出来る部位がさまざまであることがわかります。子宮の内側にできる粘膜下筋腫、壁の中の筋層内筋腫、壁の外側に出来る漿膜下筋腫に大別されますが、位置や大きさ、大きくなる速度まで含めると同一のものはありません。

ところで、子宮筋腫の原因そのものは、あまりよく解っていません。もともとは筋腫の芽のような単一の細胞からだんだん増えて大きくなりますが、女性ホルモンのエストロゲンがその成長に関係しています。女性の4~5人にひとりは持っているといわれるほど、頻度の高いものです。
症状
子宮筋腫ができている部位や大きさで症状は大きく違います。
よくある症状は過多月経(月経時の出血量が多い)で、その結果次第に貧血になってくると、疲れやすさ、だるさ、息切れなどの全身症状が出てきます。
月経量が多いかどうかは、判断がしづらいと言われますが、ひとつの目安は夜用あるいは多い日用のナプキンをしょっちゅう使うようになったら要注意です。とくに子宮の内側に出来る粘膜下筋腫は小さくても過多月経を起こしやすく、内側であるため検診で見逃されがちです。
さらに腰痛、腹痛、頻尿などの症状がしばしばみられます。筋腫が大きくなるとおなかの上からしこりとして触れることも珍しくありません。
治療法
一昔前まで子宮筋腫といえば開腹手術でしたが、現在では治療法も様変わりしています。

薬物療法ホルモン療法で子宮筋腫を小さくすることが可能です。偽閉経療法という、一定期間排卵、月経を止めることにより筋腫を縮小させる方法が一般的です。また症状がそれほど強くない場合は漢方薬や鎮痛剤などで症状を緩和することが可能です。
子宮鏡下手術子宮の内側に出来た粘膜下筋腫を経腟的に(開腹手術をせずに)切除する方法です。2泊3日の入院で行うことが出来、手術後の痛みもほとんどありません。
腹腔鏡下手術腹腔鏡をもちいることにより、小さな切開創で筋腫を摘出する方法です。

これらに加え、おひとりおひとりのライフステージと病状に合わせて先進的治療法や従来からの子宮全摘術のなかから最適と考えられる治療法をご提案していきます。

卵巣嚢腫

卵巣にはいろいろな種類の卵巣嚢腫が発生します。
もっとも多いのは「成熟奇形種」と呼ばれる腫瘍で、卵巣嚢腫の40%を占めます。年齢幅は広く、10代の若い女性にも見られます。嚢胞状の袋の中に脂肪、毛髪、骨など体を構成する成分が不規則に生じて包まれ、大きいものは直径10cm以上になります。
周囲と癒着せず、可動性があることから、茎捻転といって茎の部分がねじれてしまい、急性の腹痛を起こして緊急手術になることが珍しくありません。また放置すると50代以降に悪性転化をおこすことがあるので、発見された場合は治療することが必要です。
その次に多いのが「漿液性のう胞腺腫」という薄い皮膜のなかにサラサラした液体を含む腫瘍で、全体の約25%です。
そのほか子宮内膜症(後述)による子宮内膜症性のう胞(チョコレート嚢腫)、線維腫などがあります。多くは、内視鏡手術で治療が可能です。

子宮内膜症

(クリックで拡大画像が見れます)

子宮内膜は子宮の内側を覆っていて、排卵の周期とともに増殖と月経による排出を繰り返す性質をもっています。

子宮内膜症とは本来、子宮内膜が存在する部位以外の卵巣、骨盤腹膜上などに内膜細胞が存在するようになり、その部位で出血、炎症をおこし、卵巣嚢腫(子宮内膜症性のう胞)や骨盤内癒着をきたして、下系痛、腰痛、排便痛などのつらい症状を引き起こす疾患です。本来は悪性の疾患ではありませんが、閉経までの期間は持続的に進行し、症状が重くなったり、不妊症を引き起こしたりするので、適切な治療が不可欠です。


最近では各種ホルモン治療薬が進歩し、内視鏡手術も確立しているため病状やお子さんをもつ希望に応じて、治療法を選択し、組み合わせることにより生活の質を向上させることが可能です。最近生理痛がひどいと感じたら、まず疑ってみるべき病気です。関連する疾患として子宮腺筋症があり、腺筋症では子宮の壁自体が厚く、硬くなって、月経の量が多くなったり、生理痛がひどくなるといった症状が出てきます。

子宮頸がん

子宮頸がんのほとんどの原因はヒトパピローマウイルス感染です。
性行為で感染したウイルスによって、細胞の遺伝子に変化がおこり、その一部で癌化が起こります。ウイルスが原因であるため、20代の若い人にもめずらしくありません。ただし細胞の変化は比較的ゆっくりで、定期的に子宮がん検診を受けることが、予防の第一歩です。最近ワクチン接種が一般化しつつあり、将来的には撲滅されるかもしれませんが、現段階では、定期的ながん検診は必須です。
当院では、「子宮がん検診」を受けていただくことが可能です。細胞の異常が軽度であれば定期的に経過観察し、高度異型の段階になった場合は手術を考慮します。円錐切除術は、高度異型~0期の子宮頸がんに対する手術療法で、子宮・卵巣は温存されるため、将来お子さんが欲しい方でも可能な手術です。

子宮体がん

子宮体がんは子宮内膜から発生するがんで、女性ホルモンのエストロゲンと関連があると言われています。妊娠・出産経験がない、排卵障害があって生理不順の場合、および肥満や糖尿病も関連があり、血縁関係のある身内に卵巣がん、乳がんがある場合も要注意です。主な自覚症状は不正出血です。

診療実績

分娩件数(令和元年度)

分娩総数(22週以降)762件
経腟分娩632件
帝王切開130件(17.1%)

手術件数(令和元年度)

手術名件数
開腹手術(うち悪性腫瘍手術)91(30)
腹腔鏡手術49
子宮鏡手術3
子宮頸部円錐切除16
流産手術18
骨盤臓器脱手術11
その他18
合計206

スタッフ紹介

氏名役職専門資格
坂巻 健
(さかまき けん)
部長産婦人科全般
超音波診断
周産期医学
日本産科婦人科学会専門医・指導医
日本超音波医学会認定超音波専門医
母体保護法指定医
末延 豊
(すえのぶ ゆたか)
医長婦人科全般
周産期医学
日本産科婦人科学会専門医
西森 裕美子
(にしもり ゆみこ)
医員産婦人科一般
周産期医学
日本産科婦人科学会専門医
医学博士
芦川 すが
(あしかわ すが)
医員産婦人科一般
生殖医学
望月 奈緒子
(もちづき なおこ)
医員産婦人科一般
八條 隆汰
(はちじょう りょうた)
医員産婦人科一般
上田 明日香
(うえだ あすか)
医員産婦人科一般