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不妊外来のご案内

 不妊治療は過去10数年の間に飛躍的な進歩を遂げ、体外受精など生殖補助技術によって、妊娠し、出産することが珍しくなくなりました。しかし、これらの高度な医療技術には高額な医療費を要するという側面があり、お子さんは欲しいけれど、経済的な面で二の足を踏んでいるという方々が少なくありません。
 豊島病院産婦人科では、公的性格をもつ地域医療を担う病院としてふさわしい不妊外来を目指します。可能なかぎり、自然に近く、余分なコストはかけず、良い結果を出すことをモットーにお子さんを望まれている方々のご要望におこたえしたいと考えています。
 まずは、予約専用電話から予約をお取りいただき、医師にご相談ください。

【お問い合わせ先】予約専用電話: 03-5375-5489(ゴヨヤク)

不妊症とは

 妊娠を希望しているカップルが2年以上避妊を行わずに生活を送っていても子どもができない状態とされています。しかし、期間については1年間とする考え方もあります。およそ10組に1組の割合で不妊症に悩むカップルがいるといわれています。また二人目を望んでも妊娠しない、という状態は第二子不妊と呼ばれ、一人目は自然に授かった場合でも、二人目は治療によって妊娠が成立することが少なくありません。

原因

 出産までのこれら主な過程は女性の体内で起こるため、不妊は女性側に多くの問題があると考えられがちです。
しかし、不妊の原因となっている問題は女性側が4割、男性側が4割、原因がわからないもの2割です。そのため、男女それぞれ考えられる原因を調べる必要があります。

女性のセルフチェック

ホルモンの分泌・バランス
  • 月経が不順
  • 肥満傾向がある、BMI26以上
  • 体重が軽いBMI17以下
  • 授乳期や妊娠中以外に乳首から分泌物が出る

性感染症
  • おりものの量が常に多い
  • クラミジア感染症に患ったことがある

子宮や卵巣の疾患
  • 生理痛がひどく、鎮痛剤が必要
  • 子宮や卵巣の病気にかかったことがある、もしくは現在かかっている
  • 月経の出血量が多い
  • 月経時以外の不正出血がある

男性のセルフチェック

生殖機能の問題
  • 射精できない
  • 射精時に出る分泌物の量が少ない
  • 睾丸が極端に小さい
  • 睾丸や陰嚢に引きつれた痛みや違和感がある
  • 大人になって高熱を出したことがある

生活習慣の問題
  • ストレスが多い
  • 睡眠不足・疲労が溜まっている
  • 熱い風呂に長時間はいる

検査・治療の進め方

不妊治療は”一般不妊治療”と”高度生殖補助治療”に大別されます。

一般不妊治療

 まず、超音波検査、血液検査などを行って不妊の原因となる異常を調べ、その結果に応じて、治療方針を立てます。子宮内膜症や精索静脈瘤などではそれに対する治療を優先することがあります。

 女性側の排卵因子に対する一般不妊治療としては、基礎体温や超音波検査から排卵日を予測したり、排卵誘発剤を使って排卵周期を調整して妊娠しやすいタイミングでの性交渉を行う”タイミング法”、男性から採取した精液を妊娠しやすい状態にして子宮へ注入する”人工授精”などが行われます。
タイミング法でもある程度の期間タイミング指導を行った後に、それでも妊娠しなければ排卵誘発剤を使用する、というようにステップアップします。

高度生殖補助医療

 “一般不妊治療”を一定期間行っても妊娠しなかった場合、患者さんの意思によって高度生殖補助医療へステップアップするという選択肢があります。
高度生殖補助医療には、体外受精や顕微鏡授精があり、個々の患者さんの条件に応じて選択します。
病院で行う主な検査

血液中のホルモン測定

LH,FSH:視床下部・下垂体の障害の有無、多嚢胞性卵巣症候群、卵巣予備能
プロラクチン:排卵障害、卵胞発育不全
エストラジオール:視床下部・下垂体障害の有無、黄体機能不全の有無
プロゲステロン:黄体機能不全の有無
テストステロン:多嚢胞性卵巣の有無

子宮卵管造影法(HSG)

 造影剤を使って、卵管に癒着や閉塞、水腫等の異常が起きていないかを調べる為に行われます。この癒着があった場合でも場合によってはこの検査をすることで状態が改善される事があります。

検査方法
 月経終了後から排卵までの低体温期に行われます。
子宮口より細いカテーテルを使用して、造影剤5~10mlを注入しながらX線で造影剤により卵管の通過性を確認します。

精液検査

 男性の不妊検査の中で最も重要な検査です。
精液を調べることで精子の問題点だけではなく、精巣・精管・前立腺・精嚢腺・副睾丸などといった男性生殖器の異常を見つけるきっかけにもなります。
 男性の生殖機能に異常が起きても、自覚状が現れないことが多く、自分では気が付かず放置してしまっているケースも少なくありません。それが不妊の原因になってしまっていることも多いので、検査だけでも早めに受けておくことをお勧めします。

検査の方法
 滅菌された専用のケースに、精液を採取します。
採取は自宅で行っていただき、病院へ持ってきていただきます。なお、パートナーの方に、ご持参いただくことが可能です。採取後、1時間以内に検査を始めることが望ましいので、できるだけ採取後1時間以内に病院に到着するようにお願いします。
 精液検査では、抵抗感がある人も少なくありません。しかし、男性不妊治療も進んでおり、プライバシーについては、綿密な配慮がされています。
 精液は、前立腺・精嚢腺から分泌される精漿が混ざっていて、独特のにおいと粘り気を持っています。射精された直後の精液は、粘度の高い状態になっていますが、これは30分~1時間程度置いておくと分解してさらさらの水様性になります。水様性になった精液は適温を保った状態で、全体の量・比重・濃度・酸性度・比重・運動率や奇形率等の測定が行われます。
精液検査の項目

 採取した精液の全量を計量器で計測します。精液の量は個人差が大きく、年齢や健康状態、生活習慣によってもかなり変化します。そのため、あまりにも少なすぎる、1.0ml以下の場合には前立腺もしくは精嚢腺の異常があると考えられますが、多い分には異常とは考えません。
濃度
 1mml中の精液に、精子が4000万~5000万以上確認であれば、正常と考えられます。しかし、4000万~2000万以下の場合には精子減少症の可能性もあり、受精率は低くなると考えられます。全く精子が確認できなければ無精子症と診断されます。自然妊娠は、精子濃度が3000万以上ないと難しいと考えられています。
運動率
 動かない精子が精子中に多く含まれていれば、卵子まで自力でたどり着くことはできませんので受精率も低下します。正常であれば全体の60%以上が正常な運動能力がありますが、それ以下だと精子無力症の可能性もあります。
奇形率
 頭部に異常や奇形がみられる精子が、全体の精子のうちどのくらいの割合で含まれているかで、正常範囲とされるのは全体の15%未満です。それ以上異常な精子が含まれていると造精機能の低下や障害が考えられます。
一般不妊治療の方法

タイミング療法

 排卵日は、一般的に次の月経が始まる14日前です。生理の周期が安定していて、予定日からずれることがほとんど無い場合には、排卵日が予測可能です。しかし、卵巣の状態によって、卵子が成熟するまでの日数にはかなり幅があることが少なくありません。基礎体温の記録が数周期分あると、排卵リズムの傾向が把握できて、病院での超音波検査や血液検査の際にも役立ちます。
 基礎体温が高温期・低体温期と2層性でも、不定期にしか排卵が起こっていない場合もあります。そのため、より効果的に行うため排卵誘発剤の投薬や服用を併用することがあります。基礎体温によるタイミング療法を一定期間行っても妊娠しない場合などに行います。

タイミング療法の実際
排卵日の予測
 排卵予定日を予測する基礎体温を記録することで、排卵周期や月経周期のパターンを読み取り排卵日を予測することが出来ます。
 基礎体温は月経周期では低体温を示し、排卵が起こった日をはさんで高温期に移行します。そのため、高温期に入る直前、低温期の中でもさらに体温が下がった日を排卵日と予測します。また産婦人科外来では、超音波検査によって卵胞径を測定することにより、排卵日を予測します。卵胞径が17mmを超えると排卵が間近であると判断します。基礎体温の記録をできるだけ正確につけるようにします。基礎体温の他、頸管粘液法やエコー検査、血液中のホルモン濃度の検査などを合わせて排卵予定日を予測します。
タイミングを合わせる
 男性は何日も連続して射精すると精子の数が減ってしまい、受精率が低くなってしまいます。3~5日間射精を行わなければ正常な状態に戻りますので、排卵予定日の3~5日は禁欲して精子の状態を整えます。
しかし、あまり長期間禁欲していても精子の質が落ちてしまいます。排卵日とは関係なく3~5日間隔で性交渉を行っている方が妊娠の確立が上がるというデータもあります。

排卵誘発療法

クロミフェン療法
 クロミフェンという下垂体に作用する”排卵誘発剤”を使った治療方法です。不妊治療の中では最も一般的な薬を使った治療で、治療の初期段階に行われることも多くあります。
月経開始4~5日目からクロミフェン50mgの錠剤を1日1錠、5日間内服します。薬の服用が終わった5日~1週間後に排卵が起こります。3周期で改善がみられない場合には、次に服用量を100mgに増やして治療をおこないます。
特徴
 クロミッドとも呼ばれるこの薬を服用した場合に排卵誘発率は50~75%、妊娠率は約24%です。双子になる確率は7.5%です。服用量を増やして3周期続けても排卵が起こらないには、ゴナドトロピン療法に切り替えます。

ゴナドトロピン療法(hMG-hCG療法)
 ゴナドトロピン療法には卵胞刺激作用ホルモン(FSH)の作用をもつヒト閉経後尿性ゴナドトロピン(hMG)または遺伝子組換型FSH、およびhCGという2種類の注射薬が使われます。クロミット療法で改善が見られなかった場合に、この治療が行われます。
 月経周期3~5日目からhMG(FSH)の注射を毎日行います。その後、卵胞の発育を超音波検査で確認し、十分に成熟していたら排卵を起こすためにhCGを注射して排卵を誘発します。hCGを注射してから36~48時間の間に排卵が起こります。これにタイミング療法または人工授精を組み合わせます。
特徴
 ゴナドトロピン療法は卵巣に直接働きかけて排卵を促すのが特徴の治療方法です。そのため、下垂体に異常がある排卵障害にも有効です。一方双子となる確率が高くなる傾向や、卵巣過剰刺激症候群が起こる可能性があるため、hMGの量を低用量にして副作用を少なくする工夫を行っています。

人工授精

 人工授精用の細くて柔らかいカテーテルを用いて精液を子宮内に注入する方法です。あらかじめ採取して、病院に持ってこられた精液を洗浄、濃縮して条件を整え、排卵のタイミングを勘案して最適と考えられる日に行います。精子の量的・質的な異常、射精障害、精子-頸管粘液不適合がある場合に有効な治療法です